「…急にどうしたの?桜が甘えてくるなんて、久しぶりだね」

「…いや?」



やっぱり、迷惑…?

がっ君を見上げれば、気のせいだろうか、がっ君の喉仏がゴクリと動いた。



「……大歓迎だよ」



そう言って、いつものように頭を撫でてくれる…幼なじみ兼、"婚約者"。


後ろの三文字が取れるまで、後一ヶ月。

わたしはひとり、心の中でそう決めて、彼の隣にいられる今の幸せを噛みしめるように瞳を閉じた。