【完】君は狂った王子様。



わたしは携帯電話を持っていないので、お母さんはわたしに伝えたいことがあると、がっ君に電話する。

そして、がっ君がわたしに伝えてくれるというルートが出来上がってしまったけれど、それなら携帯を持たせて欲しいと思うのが本音。

…って、今はそんなことは関係なくて、


わたし、一ヶ月ひとりでお留守番なの?



「安心して。その間、桜は僕のうちで預かることになったから。今日から一ヶ月、桜はここで暮らそうね?」



寂しい、と、思った時、がっ君の口から出た言葉。

わたしはまたしても驚いて、瞬きを繰り返した。


ま、待って、どうしてそんな、わたしがいないところで話が進んでいるの…?

がっ君の家に一ヶ月?

そんな、できないよ…!