【完】君は狂った王子様。


「がっ君、体調は大丈夫?」



顔色は…そこまで悪くないかな?



「ああ、お昼に仮眠をとったら、随分良くなったよ」



よかった…。

安心して、ホッと胸を撫で下ろす。



「明日は学校…来れそう?」

「ああ、明日は行くよ」

「…よかった」

「僕がいなくて寂しかった?」



がっ君はそう言って、冗談交じりに笑った。



「うん、とっても…」



正直に頷けば、がっ君は一瞬、切れ長の目を大きく見開く。



「っ」


何を驚いているのだろうか?不思議に思いながら、首を傾げた。

…でも、わたしってわがままだ。

がっ君の隣にいるのが苦しいだなんて思いながら、がっ君がいないと寂しいなんて…矛盾ばかり。



「冗談で言ったんだけど…ふふっ、そっか。嬉しいな」



ほんとうに嬉しそうに微笑んで、がっ君はわたしの頭を撫でた。