【完】君は狂った王子様。


『18:00から始まる後夜祭で踊る、ミス、ミスターの2名は、ステージに集まってください。繰り返しますーー』



それは、わたしたちを呼ぶ放送だったよう。


わたしはがっ君の手を握って、立ち上がる。



「ほら、呼ばれてるから行かなきゃ!」



まさかミスに選ばれると思っていなかったから、とても楽しみにしていたんだもん。

がっ君と、踊ることを。



それなのに、王子様はあまり乗り気ではないようで、わたしの首に顔を埋めながら大げさな溜息を一つ零す。



「はぁ…俺は桜と二人きりでいたい」



珍しく甘えたような言い方に、胸がキュンっと音を鳴らした。