『本番、ほんとうにキスしてもいいなら、白雪姫役してもいいよ』
がっ君のそんな提案を飲んだものの…半信半疑だった。
だって、こんな、大勢の前でなんてっ…。
そ、それに、なんだか…長い…!
唇が重なって随分経ったはずなのに、がっ君はいつまでたっても離れない。
「ん、ん〜っ!」
な、長すぎるよっ…!
わたしは離れる気配のないがっ君の胸を叩いて、必死に抗議した。
「…ごちそうさま…」
ようやく離れた時には、わたしの息が上がっているというデジャビュ。
も、もう、顔あげられないっ…。
その後、1-Sの白雪姫は学年順位1位を獲得し、DVDまで出回ったのは、また別のお話…。