「………ダメだ」
「でも…わたしのせいでも、あるし…」
毎日練習を見ていたから、台詞は問題ない。
あまり動いたりするシーンも無いし、わたし、代わりにしちゃダメかな…?
髪をくしゃくしゃと掻いたがっ君の唇から漏れたのは、大きな溜息。
「桜…いい加減にわかって…。桜をこんな大衆に晒したら、俺が嫉妬でどうにかなる…」
で、でもっ…
「…みんなこの日のために頑張って…」
毎日練習してきたのに、みんなの努力を潰すわけにはいかない。
少しの間、沈黙が流れた。
固く口を閉ざしているがっ君を見つめ、返事を待つ。
そんなわたしに届いたのは…
「それじゃあ、1つだけ条件がある」
否定でも肯定でもない、返事。
「…!なあに?」
すぐさまそう言い返せば、がっ君は唇をわたしの耳元に寄せて、ぼそりと案を伝えてきた。

