がっ君の声が震えていることに気づいて、わたしはハッとした。
声だけじゃない、大きな背中が、控えめに震えていて、胸が締め付けられる。
「ごめんね…?がっ君に苦しい思いさせて、ごめんなさいっ…」
「違う…俺は、桜に謝ってほしいんじゃない…ッ」
勢いよく引き剥がされて、両肩を掴まれた。
綺麗な薔薇色の瞳に、様々な感情が混じっているのが見える。
怒り、悲しみ、そして……溢れんばかりの、愛情が映っていた。
「愛してる…愛してるんだッ…。もっと、俺を頼って」
がっ君はわたしを抱き寄せて、離さないとでも言うかのように力強く腕を回してきた。
「嫌がらせされてるなら、一番に俺に相談して。不満があるなら、いつでも言って。悲しいなら、泣きたいなら、俺を呼んで。桜は…なんでも一人で抱えすぎるから、心配になる」
わたしは返事をする代わりに、一度だけ頷いた。

