【完】君は狂った王子様。


「それじゃあね、また放課後」

「バイバイがっ君」



わたしは手を振って、教室までの道を戻った。

放課後になったら、急いで帰ろう。


この時、わたしはとても、浮かれていた。



小走りで教室に戻るわたしの後ろ姿を見つめ、



「はぁ…かわいい。早く桜を閉じ込めたいよ」



ーーがっ君が、薄っすらと笑みを浮かべていることも知らずに