「あんた、ほんとに邪魔」
吐き捨てられた言葉に、身体がビクッと震える。
「妖精かなんだか知らないけど、どうしてミスコンに飛び入り参加なんてするわけ?そこまでしてあたしの邪魔したい?大人しそうな顔して随分性格悪いのね」
綾小路、さん…?
どうし、よう…怖い…っ。
わたしを凄い憎悪の籠った瞳で睨みつける綾小路さんに、足が竦んでしまう。
逃げ、たい…
思わずそう思ったわたしは、慌てて、首を振った。
違う。
ここで逃げたらダメなんだ。
「京極君とあたし、キスまでしちゃったものね?悔しいからって、人の恋路の邪魔しないでよ、鬱陶しい」
「ちっ」と、その綺麗な容姿からは想像もできない、舌打ちをした。

