【完】君は狂った王子様。




「あんた、ほんとに邪魔」



吐き捨てられた言葉に、身体がビクッと震える。



「妖精かなんだか知らないけど、どうしてミスコンに飛び入り参加なんてするわけ?そこまでしてあたしの邪魔したい?大人しそうな顔して随分性格悪いのね」



綾小路、さん…?


どうし、よう…怖い…っ。


わたしを凄い憎悪の籠った瞳で睨みつける綾小路さんに、足が竦んでしまう。



逃げ、たい…


思わずそう思ったわたしは、慌てて、首を振った。


違う。


ここで逃げたらダメなんだ。



「京極君とあたし、キスまでしちゃったものね?悔しいからって、人の恋路の邪魔しないでよ、鬱陶しい」



「ちっ」と、その綺麗な容姿からは想像もできない、舌打ちをした。