結局、あの後キス魔になったがっ君になかなか離してもらえず、りんご飴にたどり着けたのは随分経ってからだった。

けれど、がっ君はわたしの周りたいと言ったところ全部に付き合ってくれて、文化祭1日目はとても楽しい思い出になった。


一夜明けて、二日目。


わたしたちのクラスは午前の部なので、開始時間まであと1時間というところまで迫っていた。


最終リハーサルを行っている舞台裏。みんなからは見えない特殊ガラスの貼られた個室の中から、一人クラスメイトたちを眺めるわたし。

何も手伝うことがないと言われてしまって、手持ち無沙汰な状態…暇だなぁ…。



「白咲さん」



背後から名前を呼ばれて振り返ると、そこには白雪姫の衣装を手に持った綾小路さんの姿。