な、内緒って…でも、がっ君は家族だからいいのかな…?
いやいや、家族でもダメだよね…!
考えても仕方ないので、わたしは心の中で突っ込むに留めた。
廊下を並んで歩きながら、手が繋ぎたくなって、そっとがっ君の手に重ねてみる。
がっ君は驚いた表情でこちらを見て、喉仏をゴクリと動かした。
「…っ。……初めてだね、桜から、手を握ってくれたの…」
言われてみれば…
「そ、そうかな?えへへっ…」
いつもは、がっ君からばかりだった。
でも、たまにはわたしからも…いいかもしれない。
だって、がっ君が凄く嬉しそうだ。
目を輝かせてわたしを見つめるがっ君に、照れ臭さを誤魔化すように微笑むと、突然身体が宙に浮く。
…えっ…!?
がっ君に抱きかかえられたのだと理解した時には、もう近くにあった空き教室に連れ込まれていた。
「…か、わいい…ッ…やっぱり、もう少しイチャイチャしてから行こうっ…ダメだ、全然足りない…!」
壁に押し付けられて、キスの雨を降らされた。
少しの間、りんご飴はお預けかもしれないっ…。