【完】君は狂った王子様。


「それって、大丈夫なの…?わたしも、一緒に帰っちゃダメ?」



がっ君のお家にはお手伝いさんがいっぱいいるから、わたしがいなくてもいいのはわかってるけど…心配だから、そばにいたい…。

じっとがっ君を見つめれば、頭をポンと撫でられた。



「そう言ってくれるのは嬉しいけれど、桜はちゃんと授業を受けて帰っておいで。帰りは迎えの車を出すから」

「それじゃあ、帰ったらお見舞い行ってもいい…?」

「大歓迎だよ。待っているね」

「うん…!すぐに帰るね!」



よかった…よかった。

がっ君と、仲直りできた。


嬉しくなって、顔中に笑顔を咲かせた。

離れたくないけど、授業に戻らなきゃ…。

がっ君も、早く帰らないと風邪が悪化するかもしれない。


名残惜しいけれど、がっ君から離れる。