【完】君は狂った王子様。



「違、う、がっ君、何も悪くない」



ちゃんと言わなきゃ伝わらないのに、それでもわたしは言いたくなかった。

どうしてがっ君のそばにいると苦しいのか、こんなにもモヤモヤした気持ちが膨らんでしまったのか…

そんなの、もう自分でもわかっていた。


理由なんて、簡単だ。



「わたしがダメなやつだから、悪い子だから、だから、距離を置きたいって言ったの」



がっ君が女の子に囲まれてるのを見て、やきもちを妬いていた。


綺麗な子たちに囲まれてるがっ君を見るたび、不安でたまらなかった。


生徒会室の前で一緒にいたあの人…あの人とは、今はどういう関係なの?

今も、キスとか、するの?


綾小路さんは?

事故だったからって…他の女の子とのキスを見せられて、苦しかったっ…。



ーーーそんなわたしの、醜い心の中なんて、見られたくない。