【完】君は狂った王子様。



「がっ君…!」



走って走って、靴箱のところで、ようやく追いつく。


がっ君は、ゆっくりと振り返った。



「どうしたの?今は授業中でしょ?」



わたしを見つめる瞳に、いつものような優しさがない気がした。

どこか冷めた目でわたしを見るがっ君に、一瞬怯んでしまう。


けど、だめっ…謝らなきゃ…。



「が、がっ君…ごめんなさい…」



わたし、がっ君に嫌われたくない…。



「なんの話?」


「がっ君…怒ってるでしょ…?わたし、さっきがっ君にひどいこと言っちゃった…がっ君が体調悪いことも気付かなくて、わたし…」



なんて謝っていいかわからなくて、口から出た情けない言葉たち。

自分でも何を言ってるのかわからなくなってきて、がっ君に伝わっているか不安になる。