【完】君は狂った王子様。


…え?

がっ君も、同じこと考えてた?


わたしが何考えてるか、わからないって…。


そっか…。

考えてみたら、わたし、がっ君に何も言わなかった。

嫌われたくなくて言えなかったっていうのもあるけど、思ってること、何1つ言えてない。


簡単な努力さえ、忘れていた。

でも…今更何を言っていいのかもわからない。

いろんな思いが交差しすぎて、どれから伝えていいかも、整理がつかなかった。



「ミスコンなんか出て、他の男にちやほやされたかった?なぁ、桜は、なにがしたいんだッ…」



そんなふうに思われていたなんて、とても心外だった。


でも、わたしがなにも言わなかったから…


気持ちを押し殺して、一人でうじうじしてたから、がっ君に、そんなふうに思わせてしまったんだ…。




わたし…ほんと、ダメだねっ…。



「違うの…あのね…」



がっ君の顔に、手を伸ばした。