こんな、他校の生徒や何処の馬の骨ともわからない男がうじゃうじゃと紛れている中で、あんな可愛い桜一人で歩いていたら……
考えるだけで悍ましくて、再び探し回ろうと足を前に踏み出した時だった。
「ーーそれでは、エントリーNo.21。飛び入り参加の白咲桜子さんです!」
自分の耳を、疑った。
ーーーーは?
身体は驚きのあまり動こうとはしなくて、けれども首だけを回しステージ上へと目をやった。
先ほどまで随分と騒がしかった辺りが、瞬く間に静まる。
誰もが息を飲み、一点を見つめた。
その視線の先にあるのはーーー
ところどこに花の散りばめられた、白いドレスを見に纏う…桜の姿。

