【完】君は狂った王子様。

【side 牙玖】






「以上、ミスターコンテストエントリー者です!」



全ての参加者が歩き終わり、ステージに参加者が並ばさせられた。

はぁ、怠い。


こんなので選ばれたって嬉しくもなんともないし、こんなことしてる時間があるならば桜と一緒にいたい。

りんご飴食べたいって行ってたからな…これが終わったら、桜の行きたいところ全部周ろう。


…最近、桜の様子が変だ。


一緒にいる時、どこか窮屈そうな顔をしていることに、俺は気づいていた。

日に日に、桜の気持ちが俺から遠退いて行くような気がして…それが恐ろしくて、たまらない。


何が原因なのかもわからなくて、桜もそれを俺に言おうとしてくれない。

もう、正直どうしてあげればいいのか、わからないでいた。