【完】君は狂った王子様。



凄い…流石がっ君だ…。


この人がわたしの彼氏だなんて…やっぱり、夢みたい。

でも、だから…


ーーだからね、がっ君。



名残惜しむ声を受けながら、がっ君はステージの奥に消えていった。

エントリーナンバー2番の人が歩き始めて、わたしは席を立つ。


駆け足で、ステージ裏へと向かった。



ーーわたしのこと、見ててね。



ドレスの入った紙袋を握って、わたしは真っ直ぐに、前を向いた。