がっ君と踊る、選択肢が無いわけじゃなかった。



「でも…あんな綺麗な子たちの間に入って、優勝、だなんて…」



"出来るわけない"…その言葉を飲み込んで、鏡に映る自分を見つめた。


…いやだ。

頑張る前から、諦めたくないっ…。


白雪姫には選ばれなかったけど、でも、わたしは……


ーーー胸を張って、がっ君の隣に立ちたいんだ。


がっ君は、いつもどんなことも、精一杯頑張ってる。

だったらわたしも…そんながっ君の隣にいるために、彼女でいるために、頑張りたい…。



スクールバッグを開けて、文化祭のスケジュール表を取り出した。


ミスコンは…ミスターコンのすぐ後…。



がっ君、わたし、頑張ってもいいかな…?

あなたの隣に、いてもいいかな…っ?



心の中で呟いた言葉は、やがて決心へと変わった。





【第4章】妖精の帰還。-END-