【完】君は狂った王子様。



そう思うってことは、結局、わたしはがっ君に甘えすぎているということなんだろう。


距離を置いたら、何かわかるのかな…?

まず、距離って、どう置くのかな…?


できることなら、がっ君と離れたくなんてない…っ。

そばにいるのが苦しいなんて言っておきながら、矛盾ばかりの自分が嫌になる。

…こんなこと、前にも思った気がする。


結局、わたしは何も変わってないんだ。

なにも成長していない、証。


お母さんが置いていったドレスを見つめて、ふぅ…と息を吐いた。


可愛い、ドレス…。


このドレスを着て、がっ君と踊りたかったなぁ…。


そう思って、わたしはふとあることに気づいた。


…っ、どうして、決めつけていたんだろう。



『あたし、ミスコンで絶対に一位とって、後夜祭パーティーで京極君に告白するから』

『まあ、飛び入り参加もできるから、参加したくなったら明日ステージ裏に来てね』



ーーーわたしにも、チャンスはある…?