【完】君は狂った王子様。



すぅっ…と、大きく息を吸う。


息苦しさから解放されて、苦しいのが和らいだ気がした。


ああ、ほんとうにがっ君のそばだけが苦しいんだと気づいて、それをあっさり認めてしまう自分がいた。


がっ君…なんだか少し、怒ってたな…。

きっと、わたしが怒らせちゃったんだ…。


家に入って、すぐに自分の部屋へと向かった。


パタリ、と、力なく閉められた音が部屋に響いて、わたしはソファに座る。



わからないなりに、精一杯がっ君とのことを考えた。


それでもがっ君の考えていることが、わたしには全然わからなくて、それを痛感する度に、自己嫌悪に陥る。


彼女なのに、彼氏のことを理解出来ないなんて…。


わたしって、全然がっ君に、相応しくない…。

もしかしたら、わたしなんかよりも綾小路さんの方が……



そんなことを思った自分に、絶望した。