【完】君は狂った王子様。



綾小路さん…衣装着てる…。

わたしが作った白雪姫の衣装を着ている、綾小路さん。

どうやらサイズはピッタリあったみたいで、少しホッとした。


唇が触れそうなところまで近づいて…離れていく。


ゆっくりと白雪姫の目が開かれて、小人たちが声を上げた。



「姫が目を覚ましたぞ!」



王子は手を差し伸べ、微笑む。



「美しい姫…どうぞお手を」



綾小路さんはがっ君の手を握って…そして、そのままがっ君が白雪姫を起き上がらせ立ち上がる、という脚本だったはずだ。


しかし、綾小路さんががっ君の手を引っ張ったのか、バランスが崩れ二人の顔が近づく。



………え?



「「「「きゃーー!!!」」」」



クラス中に、そんなの悲鳴が上がった。

う、うそ…っ。


今…ーーーキス、したっ…?