「寝不足?」
「あ…うん、少し…。でも、大丈夫だよ?」
心配をかけたくなくて、精一杯笑ってみせた。
けれど、身体は正直で、欠伸が出そうになったのを必死に抑える。
「大丈夫には、見えないけど…。学校に着くまでまだ少しあるから、寝てていいよ」
…えっ!
今度は車のシーツに横にされて、がっ君に膝枕してもらう体勢になる。
「がっ君…だ、大丈夫だからっ…!」
「いいから。寝てて」
頭をポンポンと優しく撫でられて、わたしは抵抗するのをやめた。
がっ君の膝…固い…。
がっ君は、見た目はとてもスマートに見えるけれど、意外に筋肉質だ。
わたしを軽々と持ち上げるし、半袖を着ている時、血管の浮き出ている腕がいつも見える。