二人とも、目を丸くしてわたしを見ている。
「…お、おかえり、なさいっ…うぇっ…ふっ…ひっく…」
やっぱり、自分の家というのは安らげる場所なんだと思った。
堪えていた涙が、ここぞとばかりに流れ出す。
今までは、がっ君のそばが一番落ち着く場所だったのかもしれない。
がっ君の前では、ありのままのわたしでいられた。
笑うのも、怒るのも、泣くのも…がっ君の前だったら、安心して全部を曝け出した。
けどね、今はちょっと、それが難しい。
久しぶりに家に帰ってきて、二人の顔みたら…安心して、力が抜けちゃったっ…。
「桜子…!?どうしたの!?」
「そんなに寂しかったのか…!?よしよし、ごめんなぁ〜」
お母さんとお父さんが、二人一緒にわたしを抱きしめてくれた。