勢いよく扉を開けて、すぐに家の中へと入った。

すると、パーンっ!というクラッカーの音が2つ聞こえた。


…え?


驚いて顔を上げれば、そこにはクラッカーを手に持つお母さんとお父さんの姿が。



「「桜子、お誕生日おめでとう!」」



久しぶりに見る二人はとても元気そうで、安心した。



「長い間仕事で帰ってこれなくて、ごめんね」

「遅くなったけど、今日は桜子の誕生日パーティーをしよう」



二人揃って頭にとんがり帽を被り、玄関から見えるリビングには、飾り付けがされている。



「お母さん、おとう、さん…」



安心したからか、もう我慢が限界だったのか。


わたしの瞳から、堪えきれない涙が次々と溢れた。