【完】君は狂った王子様。



「…っ、な、何もない…!」



わ、たし、何を言おうとしてっ…。

が、がっ君が困るような、こと…言っちゃダメだよ…。



「…どうした桜?最近、元気がないようだけど…」

「そ、そんなことないよっ…!」



否定するために首を振って、元気よく笑って見せた。



「………………そっか」



それをどうとったのだろうか、沈黙の後、少し影のある笑みを零したがっ君。



ゆっくりと立ち上がって、今度は優しくわたしの手を引く。



「帰ろうか?」



一度だけ頷いて、わたしもソファから立ち上がった。



「今日は、家まで送って行くから」

「ありがとう…」



…そう、今日は、お母さんとお父さんが出張から帰ってくる日。

今日から、また別々の生活に戻る。


朝に荷造りを終わらせて、運んでもらったので、荷物ももう着いているはず。