わたしが良い成績を採った時も、表彰を受けた時も、がっ君はいつだって一番褒めてくれて、わたしはその笑顔が大好きだった。

それ、なのに…どうして…


豹変したがっ君に、ぽろぽろと涙が瞳から溢れる。


がっ君はハッとした顔をして、わたしの頬に手を伸ばしてきた。



「…っ、すまない桜子。泣かせるつもりじゃ…」



その手を払って、下唇を噛む。

がっ君は、よかったねって…喜んでくれると思ったのに…



「どうして?わたしに友達ができたのに、喜んでくれないの…?…っ、がっ君なんて、どっかいっちゃえ」



今は、がっ君といたくない…。


肩に置かれた手を退けて、わたしは別方向へと走った。







プールに戻って、制服に着替える。


がっ君のバカ…ひどいよ。


もう今日は一人で帰ろう…。

あんな怖いがっ君…知らない。