【完】君は狂った王子様。



「ーーっ」



彼は目を見開いて、途端に顔を赤くした。

…あれ?


どうかしましたか?と、聞こうと思った時…



「ーー桜子」




背後から、聞き慣れた声が聞こえた。



振り向かなくったってわかる。

ーー声の主が、忿怒していることを。



オーラというのは、本当にその人から溢れ出るものなのだと思う。

そして彼は、人一倍それが醸し出るタイプの人間。


彼から発せられる怒りのオーラがひしひしと伝わってきて、あまりの恐ろしさに振り返ることも出来ない。



「何してるの?」



がっ君…怒ってるっ…。


…あ、わたしが、男の人といた、から…?


別に何にもないのに、ただ、話しかけてくれただけなのに…。

訳を話そうと思っても、身体が言うことを聞かない。