【完】君は狂った王子様。

「君っ…もしかして、白咲…」



そう言いかけて、彼は言葉を飲み込む。

なに…?


目の前の彼は、困ったような表情をしながらも、わたしと視線を合わせるように、目の前にしゃがみ込んだ。



「……放っておく訳にも、いかないか…ッ。大丈夫?体調でも悪いの?」



心配そうにわたしの顔を覗き込みながら、そう声をかけてくれた。


弱っていたから、だろうか。




「どうしたの…?どこか痛い?なにかあったの?保健室、行こうか…?」



優しい目の前の彼の声に、心が少しずつ落ち着いていく。

心配してくれたことも、わたしなんかに声をかけてくれたことも、その全部が嬉しいかった。


優しい…良い人っ…。

涙をごしごしと拭って、彼に笑顔を見せた。



「ご、めんなさいっ…大丈夫、ですっ…ありが、とう…」



知らない人に心配かけちゃった…。