「高校生になって…初めて、友達できたの…わたし、嬉しかったんだもん…」

「へぇ、そう。嬉しくて浮かれて、会ったばかりの男を呼び捨てにしちゃうんだ?」



ど、うしての…?

どうしてそんな、冷たい目でわたしを見るの?

こわ、いよ。いつもの、優しいがっ君に戻ってよ…

そう願っても、がっ君の機嫌が悪くなるばかり。

必死にわかってもらおうと、がっ君を見つめた。



「呼び捨ては…仲良しの証でしょう?とーるは「とーるとーる煩いな!!」



ーーーっ。

がっ君が…怒鳴った。


こんなことは、初めてだ。

がっ君と出会ってもう10年以上が経つのに。


がっ君はいつだって優しかった。

いつも笑顔で、お父さんやお母さんがわたしを叱っても、がっ君だけは大丈夫だよって頭を撫でてくれた。