「じゃあ、小人のシーンでも練習するかぁー?」

「んー、どこでもいいからさっさと終わらせて帰ろー」



さっきの賑わいが嘘のように、みんなだるさを隠すことも無く大っぴらにしていた。

綾小路さんも、つまらなさそうにあくびを一つ溢した。


…あっ、そうだ。

寸法…!


衣装を作るにあたって、綾小路さんの寸法を採らせてもらおうと思っていたことを思い出し、慌てて駆け寄った。

今は小人役の人が練習しているから、綾小路さんは休憩だろう。



「あ、あのっ…寸法、を…」



クラスメイトに話しかけるだなんて滅多になくて、しどろもどろになってしまう。

周りのクラスメイトが何やら好奇の目でわたしの方を見ている気がして、なんだか居心地が悪かった。