【完】君は狂った王子様。

寝起きだからか、いつもよりも無防備な笑顔に心臓を撃ち抜かれる。

あっ…そんな可愛い笑顔、反則だっ…。


俺は必死に平然を装ってベッドに座り、桜の頰に手を這わせた。



「そんなの、気にしなくていいんだよ」



我慢できなくて、一度触れるだけのキスをする。

桜は突然のキスに驚いて固まっていて、徐々に顔を赤らめていった。

頬っぺが桃色になって、凄く美味しそう。



「もうっ、不意打ちはダメだってばっ…!」

「ふふっ、ごめん」

「もー…!…あれ…?がっ君ママ…!」



え?今気づいたの?

今ようやく母親の存在に気づいたらしい桜は、頰をさらに赤くさせた。


今度は真っ赤なりんごみたいになって、噛んだら甘そうだなぁ…と思いながら、密かに舌なめずりをする。