【完】君は狂った王子様。

案の定、ベッドで眠る桜の身体が動いた。

あーあ…せっかく可愛く寝てたのに、起きちゃったじゃないか…このクソババア。


俺は椅子から立ち上がって、桜のもとへ歩み寄った。


眠たそうに目をごしごしと擦り、とろんとした目で俺を見る桜。



「…あ、れ?」



状況がわかっていないのか、首をこてん、と横に倒した桜に、鼻の奥から通るような息が漏れた。

ハッ…かわいい…自分の部屋にも、カメラを設置しておくんだった…。



「ああ、桜子…起こしちゃったか?」



ゆっくりと身体を起こした桜の頭を撫でて、柔らかく微笑んでみせた。



「がっ君…?わたし…?」

「桜、疲れちゃって車で眠ったんだ。だから、俺の部屋に運んだの」

「そっか…ごめんね、ありがとうっ…!」