「別にいいだろう。休んでた分の課題は出したんだし、ちゃんと出席扱いにしてくれるみたいだから」
そうだ、なにも問題ない。
桜の分の課題だって、筆跡鑑定をされてもバレないくらいの完成度で提出したんだから。
母親はまだ文句があるのか、口を止めることなく叫んでいる。
「よくないわよ!あたしもこんな変な時期に海外出張なんて入って、おかしいと思ってたの…!あんた、もしかして全部仕組んでたんじゃないでしょうね?」
「子供の可愛いたずらだと思ってよ、お母さん」
「なーにが可愛いのよ!!全然可愛くないわ!!この悪企み息子が!!」
「だいたい、保護者の電話もなく生徒の欠席届けだけで了承する教師も抜けてるのよ…」とぼやきながら、大げさな溜息をついた。

