【完】君は狂った王子様。



俺は、桜が少しでも男と話すだけで嫉妬で狂いそうだったから、桜も俺が女と仲良くしたら、少しは意識してくれるだろうか…なんて、思い始めたのは幾つの時だっただろうか。

結局、一度も桜が気にしてくれたことはなかったけど。



そんなことを考えていると、いつの間にか家に到着していた。

俺は眠ったままの桜をお姫様抱っこで抱え、車を降りる。



ーー軽い…。

いつも思うけど、こんなに軽くて大丈夫なのか…?


片手だけで余裕で持てるほどの桜の軽さに、俺は心配になる。

けれど、桜はガリガリなんてことはなく、むしろ付くところはちゃんと付いている、理想的な体型。

肌は柔らかいし、…胸もある。


抱きしめる時にいつも当たっているし、この前、風呂場で少し…ほんとうに少しだけだけど、見えてしまった。


その時の光景を思い出し、鼻血が出そうな感覚がして思わず咳払いを一つ。