そう、桜以外の女なんて、俺の中での地位はみーんな…一緒だ。
せいぜい、そこらへんに飛んでる虫と同じくらい。
害が無ければ放っておけばいいし、鬱陶しければ潰せばいいだけ。
「桜は俺だけのお姫様だから、他の奴になんて見せてあげない…」
俺はこれでもかと、口角の端を釣り上げた。
それにしても、ほんとうに…どうして突然白雪姫がやりたいだなんて思ったんだろう。
さっきもミス、ミスターコンについて聞いてきたし、行事ごとには乗り気なんだろうか…?
………もしか、して…。
一つの仮説が浮かんだが、俺はすぐそれにバツ印をつけた。
…ないな。
桜に限ってヤキモチなんて、妬かないか。
俺が他の女と喋ってたって、今までも全く気にしていない様子だったし。
俺としては…桜にもっと嫉妬してもらいたいんだけど。
…というより、もともと俺が興味も何もない女たちに愛想を振りまくようになったのはそれが原因だった。

