【完】君は狂った王子様。

【side 牙玖】



俺の胸にすっぽりと収まっている桜の、可愛らしい吐息が聞こえてくる。

…あれ?寝たのか?


どうやら、抱きついたまま眠ってしまったらしく、俺はその寝顔を見つめてふっと笑った。


可愛い…久しぶりの学校で、疲れたのかな…?


睫毛は、瞼に影を作るほど長くて、肌は陶器のようにスベスベで真っ白。

唇なんていつみてもプルプルしていて、俺を誘っているとしか思えない。


キスしても、起きないかな…?


ちゅっ…と、随分とかわいらしいキスを落とすと、桜は「んっ…」という腰に響く声を出しながら身をよじった。


起こしてしまったかと思ったけれど、どうやら目は覚めていない様子。

よかった…。



「がっ…く、ん…」



寝言だろうか、目をつむったまま、桜がそう言った。