【完】君は狂った王子様。



わたし、がっ君に我慢させたいわけじゃないの…っ。

そう、わたしは大丈夫。

わたしといたいって言ってくれるだけで、充分だから…!



「ありがとう桜。…おいで、抱きしめさせて」



がっ君は、手を開いてわたしに微笑んだ。

迷わずその胸に飛び込んで、ぎゅうっと抱きついく。


いつも、がっ君に抱きしめられると安心する。

いつもは、温かい温もりに包まれて、とても幸せな気持ちになれる。


…なれた、はずなのに…


…どうして今は、こんなにも胸が痛いんだろう。


気を抜いたら涙が溢れてきちゃいそうで、わたしはそれを誤魔化すように、強く強く抱きついて目を閉じた。