「…!えへへ…!」
嬉しそうに、微笑む綾小路さん。
がっ君も微笑んでいて、誰が見ても、二人はお似合いだった。
王子様とお姫様。
誰も、邪魔できない。
ーーそんな気がした。
「…っ」
わたしはダメで、綾小路さんは、ぴったりだって…。
……あれ?
わ、わたしって…がっ君の何だっけ…?
わたし、ほんとうにがっ君の彼女になれたんだっけ…?
あ、あれっ…どうしよう、わかんなくなって、きちゃった…っ。
二人の姿を見ていられなくて、痛すぎる心臓の辺りをぎゅっと握りしめる。
目には涙が溢れていて、零れないように、必死に涙をこらえた。
自分が酷く惨めに思えて、たまらない。
「えーっと…それじゃあ、王子様は京極さん、白雪姫は綾小路さんでいいかしら?」