身体の力が抜けて、ストンっと椅子に座った。
きっと、今とても情けない顔をしてる。
涙を我慢している顔を見られたく無くて、わたしは俯いた。
教室の雰囲気が、重くなったのがわかる。
「ええっと…誰が、やりたい人はいる?」
「先生!あたししたいです!」
手を挙げたのは、綾小路さんという女の子だった。
きっと、クラスの綺麗な女の子たちの中でも、飛び抜けて綺麗な人。
いつもがっ君に話しかけていて、一度腕を絡めているのも見たことがある。
綾小路さんが、お姫様…?
「綾小路さんなら、僕もぴったりだと思うな」
がっ君は、笑顔ではそう言った。
心臓に、鋭いものが突き刺さったみたいだった。