【完】君は狂った王子様。


「…………。…なるほど、転入生か」



がっ君の言葉に、とーるが不思議そうな顔をした。



「転入生やからなんやねん」

「…この学園には、いくつかのルールがあるんだ」



ルー…ル?



「君はそれを破ったけれど、今日だけは見逃してやってもいい。クラスメイトにきいておくんだ。『花の妖精』についてね」

「はぁ?お前、ほんま意味わからんわ」

「……すまない、僕も君のような野蛮人に付き合っている暇はない。…桜子、行くよ」



肩を抱かれて、がっ君に校舎へと連れて行かれそうになる。

なんだかがっ君が怖くて、抵抗はできなかったけれど、最後にとーるに手を振った。