「がっ君がわたしを好きって言ってくれるなら…もう充分だもん…」
わたしだって、ちゃんとがっ君のこと好きなんだよ…?
わかって、くれたかな…?
恐る恐る、抱きしめられたまま見上げるようにがっ君を見つめた。
その顔に、喜びが浮かんでいるのを確認して、ホッとする。
「…ああッほんと、かわいくてたまらない…ッ。
もう…絶対に逃してあげないから」
すりすりと首筋にすり寄ってくるがっ君がなんだか可愛くて、わたしはくすりと笑った。
抱きしめる腕を解いて、がっ君と見つめ合う。
わたしは次に何が起こるかわかって、ゆっくりと目を閉じた。
重なる唇から、愛が伝わってくるみたいだった。
キスが終わって、どちらからともなく微笑み合う。
「さあ、料理が運ばれてくるだろうから、ご飯にしようか?」
「うん、お腹空いたね…!」
「俺はディナーより、桜を食べたいけどね…」
「え?なあに?」
「ううん、気にしないで。…これからゆっくり、じっくり、ねっとり教えてあげるから」
「…?」
【第3章】愛を伝える術を知らず。-END-