次々と湧き上がる疑問を口にするよりも先に、がっ君はわたしのもとへ寄ってきて、わたしを自分のもとへと引き寄せた。
どこか怒りを含んだ瞳で見つめられて、困ってしまう。
がっ君、怒ってる?
どうして?
「桜、こんなところでなにしているの?授業を抜け出すなんて…ダメじゃないか」
「……ごめん、なさい」
授業を抜け出したことに、怒ってるのかな…?
でも、がっ君はそんなことでは怒らないはずだ。
わたしがなにをしても、いつも笑顔で許してくれて、わたしが怒られた時も、がっ君だけは味方になってくれた。
普段とは様子のおかしいがっ君に、わたしが頭を悩ませている中、がっ君はわたしをとーるから隠すようにして前に立った。
いつもあんなににこにこして、優しいの代名詞のようながっ君。
いったい、なにをそんなに怒っているのかも、なにが彼をそうさせたのかもわからなくて、わたしは何もできない。

