【完】君は狂った王子様。


次々と湧き上がる疑問を口にするよりも先に、がっ君はわたしのもとへ寄ってきて、わたしを自分のもとへと引き寄せた。


どこか怒りを含んだ瞳で見つめられて、困ってしまう。


がっ君、怒ってる?

どうして?



「桜、こんなところでなにしているの?授業を抜け出すなんて…ダメじゃないか」

「……ごめん、なさい」



授業を抜け出したことに、怒ってるのかな…?

でも、がっ君はそんなことでは怒らないはずだ。

わたしがなにをしても、いつも笑顔で許してくれて、わたしが怒られた時も、がっ君だけは味方になってくれた。


普段とは様子のおかしいがっ君に、わたしが頭を悩ませている中、がっ君はわたしをとーるから隠すようにして前に立った。