【完】君は狂った王子様。



「んっ…」

「桜…」



一回じゃ終わらなくて、がっ君は何度も離してはくっつき、離れてはくっつき…、段々と頭がぼうっとしてきて、何にも考えられなくなる。

がっ君はキスの合間にわたしの名前を呼んできて、その甘い声に身体が反応してしまう。



「が、がっくん…っ、す、とっぷっ…」

「んー…あと、10回だけ…」



10回、だけって…全然だけじゃないっ…。

息が苦しくなってきて、がっ君から離れるように、身体を引く。

しかし、すぐに背中に手を回され、引き寄せられた。



「こら、逃げないの…」



どこか楽しそうな声色でそう言われ、目をキツく瞑る。

ん〜…、く、苦しいっ…。



「あと…3回…」



カウントダウンを始めたがっ君は、指先でわたしの耳を弄り始めた。

1回が、長い…!


唇を堪能するかのように、いやらしく押し付けて、吸い付いてくる。