ちゅっ、というリップ音が響いて、突然の不意打ちにガードする暇もなかった。


…っ!



「不意打ちはダメだよっ…!」

「えー?おでこくらいいいだろう?」

「だ、ダメですっ…!」



心臓に悪いから…!

がっ君は拗ねたように頰を膨らませ、わたしの唇に人差し指をくっ付ける。



「唇にしたかったの…我慢したのに…」



なんだか可愛い拗ね方に、わたしの胸はキュンッという音を鳴らした。

が、がっ君が…可愛い…っ。



「ふ、不意打ちじゃなかったら…いいよ…?」



思わずそんなことを言ってしまった自分に驚いた時には、時すでに遅し。

わたしってば、なんて恥ずかしいこと…。


がっ君は驚いたように目を見開いて、ゴクリと喉を鳴らした。



「…ッ、桜の方が、不意打ちでしょう…?もう…」



顎を掴まれて、上を向かされた。

すぐに、がっ君の唇が降ってきて、わたしのものと重なる。