【完】君は狂った王子様。


恥ずかしさでうつむいていたけれど、ちらりととーるの顔を見た。


その顔は、驚くほどに真っ赤で…



「……〜うわぁ…まじで、やばいわ。オレもう完全に本気やん」



顔を手で覆って、そんなことを言い出した。

…まじ?やばいわ?


とーるの言葉は、関西に行ったことがないわたしには少し難しい。

意味はよくわからないけど、一つだけ確かなことは、


わたしととーるは、今日から友達になれたんだ。



「と、とーるも、桜子って呼んでね…?」



呼び捨てって、くすぐったいけど、仲良しの証みたいでとっても嬉しい。

とーるにもそう呼んでもらいたくて、わたしは微笑んだ。