【完】君は狂った王子様。



目を逸らすように、視線を下に下げた。



「ああっ…可愛い…」



がっ君はごくりと喉を鳴らし、わたしの頰をすりすりと触ってくる。




「ねぇ、もう一回」


「がっ君、好きだよ」


「もう一回」


「ふふっ、好きだよ…」


「もう…一回」


「…大好き」



バカップルみたいな会話に、思わず笑ってしまうわたし。

がっ君は「はぁっ…」と息を吐いて身震いし、わたしの首筋に顔を埋めながら大きく息を吸った。



「もう、一回…」



一体何度言わせるのかと思ったけれど、甘えるような言い方が可愛くて、わたしの口角は緩みっぱなし。



「もうっ…!何回言えばいいの?」

「何十回でも何百回でも何千回でも聞かせて。これから毎日、毎日好きだって言って」



わたしばっかり、ズルい…!