「どうしたら…お前も同じ気持ちになってくれるのか…俺を想ってくれるのか…そればっかり考えたよ」
そんなの…わたしの台詞、なのに…
「考えて考えて考えて…それでも、わからなかった」
早く、わたしもなんだと、わたしも同じ気持ちなんだと、伝えたい。
けれどがっ君が口にするわたしへの思いが情熱的過ぎて、熱すぎて…相づちを打つことも忘れて魅入った。
「とにかくお前に好かれたくて、典型に沿った十全十美な人間を装った…なんでも出来る王子様みたいな男になれば、少しくらいは桜に好いてもらえるかなって…浅はかにも思っていたんだ」
「はっ…」と、がっ君が息を吐いた。
それはまるで、息苦しさに耐えきれず、漏れたような吐息。