「あい、し、てる…?」
がっ君は、今確かに、そう言った。
他の誰でもない、わたしに向かって。
真っ赤な紅に、わたしが映っていることを確認して、息を飲む。
呆然として何も言えなくなったわたしに、がっ君は何度目かの、渇いた笑いを吐く。
「ああそうだよ。何を勘違いして嫌われてるなんて思ってたのか知らないけど、逆だ」
頰に添えられた手は、額に移動して、わたしの前髪をかきあげた。
「桜。俺はお前を愛してる。もう…頭がおかしくなるほどにね」
再び告げられた愛の言葉に、涙を流さずには、いられなかった。
「う、そ…」
心はありえない現実に、戸惑い、そして少しずつ夢のような事実を受け入れていく。